歯が痛い時の正しい対処法|応急処置とNG行動・原因・受診の目安を解説
歯が突然痛み出すと、どう対処すればいいか分からず不安になりがちです。特に、忙しい日常の中で急に痛みが出ると、焦ってしまうこともあるでしょう。
ただし、間違った対応をしてしまうと、かえって痛みがひどくなったり、症状が長引いたりする可能性もあります。
歯科医院を受診するまでの間にできるだけ安心して過ごすためには、正しい応急処置を知っておくことが大切です。
今回は、急な歯の痛みにどう対応すればいいのか、避けたほうがいい行動、考えられる原因、そして受診のタイミングまで分かりやすく解説します。
目次
歯が痛い時の応急処置

急な歯の痛みには、受診までの時間を少しでも快適に過ごすための応急処置が役立ちます。
- 市販の痛み止めを使う
- 患部を冷やす
- 歯磨きとうがいをする
無理な自己判断は避け、できる範囲で安全に対処しましょう。
市販の痛み止めを使う
市販の痛み止めを使う際は、まず添付の説明書をしっかり確認し、用法・用量を守って服用しましょう。
ロキソニンSやイブプロフェンなどが一般的ですが、持病がある方や妊娠中・授乳中の方、他の薬を飲んでいる場合は注意が必要です。迷った時は薬剤師に相談すると安心です。
痛み止めは、あくまで症状を一時的に抑えるためのものです。痛みが引いたように感じても、原因が解決されたとは限りません。
痛みが長引く、何度も繰り返すといった場合は、早めに歯科を受診しましょう。
患部を冷やす
歯ぐきが腫れていたり、熱っぽさがある時は、頬の外側を冷やすことで痛みがやわらぐことがあります。冷やす時は歯や歯ぐきに直接ではなく、肌に当てた時に冷たすぎない程度に調整しましょう。
また、氷を直接当てたり、冷やしすぎたりすると逆に刺激になってしまうことがあるため、保冷剤をタオルなどで包み、数分ずつ当てては休むを繰り返してください。
ただし、冷やして余計につらく感じる場合もあるため、違和感がある場合は無理せず、他の方法で様子を見ましょう。
歯磨きとうがいをする
口の中を清潔に保つことは、炎症を悪化させないためにも重要です。痛みがある部分は避けつつ、やわらかい歯ブラシでやさしく磨きましょう。
食べかすが挟まっていると、それが刺激になって痛みを引き起こすこともあるため、無理に取ろうとせず、まずは軽くうがいして流してください。
「痛いから何もしない」で放置すると、細菌が増えて状態が悪化する可能性もあります。できる範囲でケアを続けながら、症状が改善しない場合は早めの受診を検討しましょう。
歯が痛い時のNG行動

歯が痛い時は、無意識のうちに刺激してしまい痛みを悪化させてしまうことがあります。
血行を促進する
- 痛む部分を触る
- 痛み止めを何度も飲む
つらい時ほど焦らず、刺激を避ける行動を意識しましょう。
血行を促進してしまう
体が温まると血流が増え、痛みを強く感じやすくなります。特に炎症がある時は、腫れやズキズキする痛みが増す原因になることもあります。
長めの入浴やサウナ、激しい運動は控えめにし、シャワーで済ませる、安静に過ごすなど、体への負担を減らす工夫を心がけましょう。
痛む部分を触ってしまう
痛むところはつい気になって舌で触れたり、指で押したりしたくなりますが、刺激を与えると炎症がひどくなることがあります。
また、痛みを感じる側で噛んだり、噛みしめたりすることも、歯やまわりの組織に余計な負担をかけてしまいます。食事は反対側で噛む、やわらかいものを選ぶなど、患部に刺激を与えないようにしましょう。
痛み止めを何度も飲んでしまう
つらい痛みが続くと、薬を早く効かせたくて服用間隔を短くしたくなるかもしれません。しかし、決められた用法や回数を守らずに服用すると、体に負担がかかる場合があります。
薬が効きにくいと感じるほど痛みが強い場合は、炎症がかなり進んでいる可能性もあります。薬でごまかすよりも、早めに歯科で診てもらうことが安心につながります。
歯が痛い主な原因

歯の痛みにはいくつかの原因があり、それぞれで症状や対処法が異なります。いつから、どんな時に、どのような痛みがあるかを整理しておくと、受診時の説明にも役立ちます。
虫歯

虫歯は進行段階によって痛み方が変わります。
初期は冷たいものがしみる程度で、痛みを感じないこともありますが、進行するとズキズキとした痛みや、何もしなくても痛むことがあります。
そのまま放置すると神経まで進行し、さらに痛みが強くなることがあるので定期的に受診をしましょう。
虫歯の進行度と治療法については、以下記事も参考にしてください。

歯周病
歯周病では、歯ぐきの腫れや出血、噛んだ時の痛みや違和感などが主な症状です。
進行すると歯を支える骨が少しずつ溶け、歯がぐらついたり膿が出たりすることもあります。自覚しにくいこともあるため、歯ぐきの腫れや出血が続く場合は早めの受診が安心です。
知覚過敏
知覚過敏は、冷たい飲み物や歯ブラシの刺激でキーンとしみるような痛みが出るのが主な症状です。
歯ぐきが下がって歯の根元が見えたり、表面がすり減ったりすることで起こります。多くは一瞬でおさまりますが、頻度が増えたり痛みが強くなったりする場合は、虫歯など別の原因が隠れている可能性もあります。
親知らず
親知らずは、生え方によって周囲の歯ぐきに炎症が起きやすく、痛みや口の開けにくくなることがあります。
炎症を繰り返すようであれば、抜歯を含めた対応を検討するケースもあります。痛みや腫れが続く場合は、早めに相談しましょう。
噛みしめ・食いしばり
無意識の噛みしめや食いしばりによって、歯を支える組織に負担がかかり、歯が浮いたように感じたり、噛むと痛んだりすることがあります。
朝起きた時に顎がだるい、歯がしみるといった症状がある場合は、寝ている間の食いしばりが関係していることもあります。
歯のひび割れ
歯にひびが入っていると、見た目には分かりづらくても、噛んだ時に痛みが出たり、冷たいものがしみたりすることがあります。
ひびが深くなると痛みが強くなるため、特定の歯だけ違和感がある、噛むと痛いといった場合は歯科での確認が必要です。
歯のひび割れについては以下の記事で詳しく解説しています。

詰め物・被せ物の不具合
長年使っている詰め物や被せ物は、すき間ができたり、噛み合わせが変わったりすることがあります。
その影響で、痛みやしみる感覚、食べ物が詰まりやすいといった症状が出ることがあります。放置すると、内部で虫歯が進行することもあるため、違和感を覚えたら早めのチェックがおすすめです。
歯以外が原因のケース
歯に異常がなくても、他の原因で痛みを感じることがあります。
副鼻腔炎によって上の奥歯周辺が痛んだり、三叉神経痛で顔に鋭い痛みが出たりするケースもあります。歯に原因が見当たらない場合でも、まずは歯科で相談し、必要に応じて専門医に紹介してもらうのが安心です。
痛みが落ち着いても必ず受診しよう

応急処置で痛みが引いても、根本的な原因が残っていることはよくあります。
- 痛みがなくなっても治っていないことが多い
- 放置すると抜歯になる可能性がある
- すぐに受診すべきサイン
放っておくと症状が悪化することもあるため、気になる症状があれば歯科でのチェックが安心です。ご参考ください。
痛みがなくなっても治っていないことが多い
一時的に痛みがなくなっても、虫歯や歯周病、親知らずの炎症などが進行している場合は少なくありません。症状に波があるため、「治ったかも」と思って放置すると、あとで強い痛みや腫れが出ることもあります。
しっかり治すためには、歯科医師による検査と診断が必要です。違和感があるうちに受診しておくほうが、治療もスムーズに進められます。
放置すると抜歯になる可能性がある
虫歯や歯周病をそのままにしておくと、歯を残せなくなるケースもあります。早めに対処すれば、簡単な処置で済むこともありますが、症状が進むと治療が複雑になり、抜歯を選ばざるを得ないこともあります。
また、炎症が広がると腫れや発熱といった全身の不調につながることもあるため、痛みが続く場合は無理をせず早めの受診を検討しましょう。
すぐに受診すべきサイン
次のような症状がある場合は、炎症がかなり進んでいる可能性があります。できるだけ早く歯科医院を受診してください。
- 強い腫れや発熱がある
- 痛みで眠れないほどつらい
- 噛むだけで鋭い痛みが走る
- 顔の左右で明らかに腫れに差がある
- 市販の痛み止めが効かない
- 親知らずのまわりが繰り返し腫れる
無理に我慢せず、早めの対応が悪化を防ぐポイントになります。
以下は奥歯が痛む主な原因について解説した記事です。こちらも参考にしてみてください。

ライフスタイルに合わせた
最適な治療法を提示いたします。
痛みの原因をしっかり見極めるために|関口歯科の診療のこだわり

関口歯科では、痛みの原因を正確に把握することを何より大切にしています。肉眼では見つけにくい虫歯やひび、歯の根のトラブルまで丁寧に確認できるよう、CTやマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を活用した精密な検査を行っています。

こうした検査結果をもとに、お口の状態だけでなく生活習慣やライフスタイルも考慮しながら、一人ひとりに合った治療計画をご提案します。治療前には、「なぜ痛みが出ているのか」「どんな選択肢があるのか」を分かりやすくお伝えし、不安なく進められるよう丁寧にご説明しています。
関口歯科が目指しているのは、その場しのぎの対処ではなく、痛みの根本原因にしっかりアプローチし、再発を防ぐことです。診断から治療、アフターケアまで一貫して寄り添い、患者さんが納得しながら安心して通える診療を心がけています。
当院について詳しくは以下をご覧ください。

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今日から続けたい予防ケア

歯の痛みやトラブルを防ぐには、毎日のケアと定期的なチェックが欠かせません。
口の中を清潔に保つ
- 食習慣の見直し
- 3ヶ月ごとの歯科検診とクリーニング
正しい歯磨きに加えて、フロスや歯間ブラシ、食習慣の見直しも予防につながります。ぜひご参考ください。
口の中を清潔に保つ
歯磨きは、虫歯や歯周病を防ぐうえで基本となるケアです。歯ブラシは力を入れすぎず、毛先を小刻みに動かすのがポイントです。こうすることでプラーク(歯垢)をしっかり落としやすくなります。
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシも併用すると効果的です。フッ素入りの歯みがき粉は、歯の再石灰化を助け、虫歯予防にも役立ちます。
特に寝ている間は唾液が減って細菌が増えやすくなるため、就寝前は丁寧に磨くよう意識してみましょう。
食習慣の見直し
虫歯対策では、甘いものの量だけでなく食べる回数もポイントになります。間食やダラダラ食べが続くと、口の中が酸性の状態になりやすく、虫歯リスクが高まります。
ジュースやスポーツドリンクなどの酸性の飲み物も、習慣的に摂る場合は注意が必要です。外出先などで歯磨きができない時は、水やお茶でうがいするだけでも、口の中をリセットできます。
また、よく噛んで食べることで唾液の分泌が促され、口内の自浄作用も高まります。
3ヶ月ごとの歯科検診とクリーニング

歯のトラブルは、初期の段階では気づきにくいことが多くあります。定期健診を受けることで、虫歯や歯周病のサインを早めに見つけやすくなり、結果的に治療の負担も抑えられます。
歯科医院でのクリーニングでは、普段の歯磨きでは取りきれない歯石や汚れを除去できるほか、必要に応じてフッ素塗布などの予防処置も行われます。
お口の健康を長く守るためにも、定期的なチェックを習慣にしていきましょう。
歯が痛い時によくある質問(FAQ)
歯の痛みに関して、患者さまからよく寄せられる質問をまとめました。気になることがあれば、受診前の参考にしてみてください。
歯の痛みに効く市販薬はどれがおすすめ?
市販の痛み止めは、あくまで一時的に痛みを抑えるためのものです。根本的な治療にはならないため、使い方には注意が必要です。一般的には、ロキソニンSやイブプロフェン配合の鎮痛薬などがよく使われますね。
根本的な治療にはならないため、受診した方がいいと思いますが、持病がある方や薬を服用中の方は説明書をよく読んで服用するようにしてください。
なお、痛みが長引く場合は市販薬だけで様子を見ず、歯科医院で原因をしっかり確認しましょう。
夜中に歯が痛くなった場合、どうしたらいいですか?
夜間に歯が痛くなった時は、まず市販の鎮痛薬を用法・用量を守って使用し、無理のない範囲で痛みを抑えるようにしましょう。熱っぽさや腫れがある場合は、頬の外側からやさしく冷やすと痛みがやわらぐことがあります。逆に、温めると痛みが強くなることがあるため避けたほうが無難です。
また、ぬるま湯で軽くうがいをして口の中を清潔に保つのも効果的です。痛みが落ち着いた場合でも、翌日にはできるだけ早く歯科医院に相談してください。
歯の痛みがなくなっても、歯医者には行くべきですか?
はい、痛みが引いたとしても、治ったとは限りません。虫歯や歯周病、親知らずの炎症などは、症状に波があるため、一時的に痛みがなくなっても進行しているケースがあります。
そのまま放置すると、後から再発したり、治療が大がかりになってしまうこともあります。気になる痛みがあった時は、症状が落ち着いてからでも一度診察を受けておくと安心です。
歯の痛みで悩んだら川越市にある関口歯科にご相談ください

歯が痛む時は、正しい応急処置を知っておくこと、そして悪化させるような行動を避けることが大切です。虫歯や歯周病、知覚過敏、噛みしめ、親知らずなど、原因はさまざまで、見た目では判断が難しいケースもあります。
一時的に痛みがやわらいだとしても、原因が残っていることは少なくありません。痛みが長引く、繰り返す、腫れをともなうといった場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
埼玉県川越市にある関口歯科では、CTやマイクロスコープを活用しながら、痛みの原因を丁寧に確認し、お口の状態や生活背景に合わせた治療やケアをご提案しています。つらい症状がある時は無理をせず、お気軽にご相談ください。
ライフスタイルに合わせた
最適な治療法を提示いたします。
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日本歯科大学歯学部
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丸山歯科クリニック(渋谷区)
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四谷三丁目歯科矯正歯科(新宿区)
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日本顕微鏡歯科学会 認定医
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日本歯周病学会 認定医
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日本有床義歯(入れ歯)学会 認定医
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BPSデンチャー(総義歯)クリニカルデンティスト
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臨床歯科を語る会
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F会
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Academy of Microscope Enhanced Dentistry(アメリカ顕微鏡歯科学会)認定医
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